学習サイト リンク集



 ネット上では、心優しい法学者たちが惜しみなく情報提供をしてくれています。それらの体系と信頼性の程度さえ理解できているならば、ネットの中でもある程度の学習環境があります。


 法学のホームページを作成されている方々、本当にありがとうございます。当サイト管理人も、それらの情報に育てられております。

 法学の学習に良さそうなサイトを収集しています。初学者には難しいレベルかもしれません。

 


学習方法


勉強の道具



憲法

 

【動画】2020年開講 伊藤塾長の体験講義-『基礎マスター憲法1~2』 2020/04/07

【動画】【司法試験】<無料体験>2023年合格プレミアムコース開講!伊藤塾長の講義を体験しよう~基礎マスター憲法1-3~ 2023/4/11


【動画】憲法 南野森(九大)

 


九大法学部・憲法2(人権論)・2021年度後期
【動画】第1回〜「人権」の観念

【動画】第2回〜「人権」と「憲法上の権利」

【動画】第3回〜「権利の類型」「権利の主体」

【動画】第4回〜「権利の主体」

【動画】第5回〜「権利の主体」

【動画】第6回〜「権利の主体」「権利の妥当範囲」

【動画】第7回〜「権利の妥当範囲」

【動画】第8回〜「特殊な法律関係」

【動画】第9回〜「在監者の人権」「公務員の人権」

【動画】第10回〜「公務員の政治的行為の自由」

【動画】第11回〜「公務員の労働基本権」

【動画】第12回〜「公務員の労働基本権」続

【動画】第13回〜「公務員の労働基本権」「権利の制約」

【動画】第14回〜「公共の福祉」

【動画】第15回〜「審査基準論」「二重の基準論」「平等原則」

【動画】第16回〜「尊属殺重罰規定違憲判決」「非嫡出子法定相続分規定違憲決定」

【動画】第17回〜「非嫡出子法定相続分規定違憲決定」「国籍法違憲判決」

【動画】第18回〜「定数訴訟」「再婚禁止期間違憲判決」「夫婦別姓訴訟」

【動画】第19回〜「思想・良心の自由」

【動画】第20回〜「信教の自由と政教分離」

【動画】第21回〜「政教分離の判決例」

【動画】第22回〜「表現の自由の規制類型」

【動画】第23回〜「名誉毀損・プライバシー侵害・わいせつ表現」

【動画】第24回〜「ヘイトスピーチ」「集会の自由」「職業選択の自由」

【動画】第25回〜「職業選択の自由」「財産権」

【動画】第26回〜「財産権」「生存権」

憲法Ⅱ(人権論) 2021年度 再生リスト)



九大法学部・憲法1(統治機構論)・2022年度後期

動画第1回〜憲法とは何か①

【動画】第2回〜憲法とは何か②、日本憲法史①

【動画】第3回〜日本憲法史②

【動画】第4回〜日本憲法史③・天皇制①

【動画】第5回〜天皇制②

【動画】第6回〜天皇制③

【動画】第7回〜平和主義①


【動画】第8回〜平和主義②

(この動画の〔27:54から新三要件の説明があるが、誤っている。詳しくは『集団的自衛権の合憲性の誤解 4』で解説している。)

(この動画の最後に出てくる質問者の方には、当サイト「9条が読めない」と「9条関係の用語」をお薦めする。答えが見つかるはずである。)

 

【動画】第9回〜平和主義③、国会①

【動画】第10回〜国会②

【動画】第11回〜国会③

【動画】第12回〜国会④

【動画】第13回〜国会⑤

【動画】第1回〜国会⑥

【動画】第2回〜内閣①

【動画】第3回〜内閣②

【動画】第4回〜内閣③・裁判所①

【動画】第5回〜裁判所②

【動画】第6回〜裁判所③

【動画】第7回〜裁判所④

【動画】第8回〜裁判所⑤

【動画】第9回〜裁判所⑥

【動画】第10回〜裁判所⑦

【動画】第11回〜裁判所⑧

【動画】第12回〜裁判所⑨

【動画】第13回〜憲法保障

 

 

 

【動画】2021年度スクーリング「憲法」

【動画】憲法 岡田順太(獨協大)


憲法マスター講座

関西学院ロースクール憲法

甲斐ゼミナール

 

主題別 判決一覧






 法学に関するサイトを収集していますが、インターネット上の情報は、書籍に比べ信頼性が劣ることを知っておく必要があるかと思います。また、作り手が途中で力尽き、良質なコンテンツがその法分野の最後までしっかりと記載されていないこともありますのでご注意ください。そういった部分は、法律の書籍でも学びながら付き合っていければいいのではないかと思います。


〇 読み上げソフト
ネットで学習する際は、読み上げソフトを活用する方法がお勧めです。文字情報を耳で聞くことで目が疲れにくくなります。読み上げソフトも、ネット上で無料で手に入るものもあるようです。


〇 PCの画面設定
PCのディスプレイは、白色が最もバックライトの発光が強く、ブルーライトも多いと思います。PC画面にブルーライトフィルターをしたり、ブルーライト防止眼鏡をかけたり、PC画面のコントラスト設定を反転させて黒色画面に白文字で表示されるようにするなど対策をすると、目が疲れにくくなるかと思います。

 

 

法学 おすすめの学習順序




 法学は、難解でややこしい学問です。ある程度マスターするためには長い時間を要しますので、自分のモチベーションが保たれる学習順序や学習法が最もおすすめです。そのため、この順序に捉われる必要は全くありません。少しでも興味を持ったところから学んでいくことが効率的であると思います。


 ただ、特に学びたい順序が決まっていない人には、上記の順序をお勧めします。その理由を思いつくままにいくつか書き出してみたいと思います。


〇 基礎法学

まず、基礎法学を学んだあとに憲法を学ぶことをお勧めします。基礎法学は法の解釈の基本を知ることができるなど、法学のおおよその文化圏が分かるようになるからです。ただ、何が基礎法学にあたるのか、具体的な条文がありませんので分かりづらいかと思います。筆者も、紹介できるような書籍を今すぐには知りません。すみません。


【参考】法 (法学) Wikipedia
【参考】法学 Wikipedia

【音声】第01回 法の学び方

【動画】南野的法学入門 再生リスト

【動画】おしえて長谷部先生!「法の支配」ってなぁに? 2024/02/03

   (憲法カフェ第3弾 おしえて長谷部先生!「法の支配」ってなぁに? 2024.2.13)

   (憲法と法の支配 パルシステム東京 2024年2月3日 PDF)

 


〇 憲法

民法や刑法などの法律は、憲法によって設置された国会によってつくられたものです。よって、憲法がなければ法律は存立しません。始めに憲法を学ぶことがお勧めです。憲法は、法体系の中心に位置づけられ、法秩序の全体像を捉える上でも重要なものです。


〇 民法→商法
商法は民法の特別法です。どの教科書やテキストも民法をベースとして発展的、応用的に話が進んでいきます。商法を学ぶ際には、まずは民法を学ぶことをお勧めします。

〇 民法→商法→民事訴訟法
民事訴訟法は、基本的に民法や商法の紛争を主に裁判所によって解決する際に使われる法律です。民法や商法の理解なしに学ぶことは、その手続きが一体何をしているのか分からなくなってしまうと思います。

〇 民法→行政法

行政法では、「行政契約」「民事上の賠償責任」など、民法上の理解が必要になってくる部分があります。その際に民法を知っていると、イメージを掴みやすくなると思われます。


〇 民事訴訟法→行政法

行政法には、行政事件訴訟法が含まれており、民事訴訟法の規定が準用されています。そのため、民事訴訟法の内容に重複している部分など、民事訴訟法の規定を知っていると抵抗感は少なくなると思われます。

 

〇 刑法→刑事訴訟法

刑事訴訟法は、刑法の規定を実現する際に使われる法律です。刑法を先に学んでいないと、刑事訴訟法の内容が一体何をしようとしているのかよく理解できないと思われます。


〇 行政法→刑事訴訟法

刑事訴訟法の捜査について、警察や検察などの機関が出てきます。そのため、行政法を知っていると、それらの機関の位置づけや法執行の活動根拠などがイメージしやすいかと思います。

 

学習順序の発展系



※ 図書館や古本屋、本屋などで法律書籍を選ぶ際、この図を参考にしてみるのもいいかもしれません。
※ この図の各法分野の位置づけは、筆者の理解で簡単に示したものです。確定的なものではありません。
※ 「租税法」「労働法」あたりは、まだ筆者も位置づけを掴めていません。力不足で申し訳ありません。



〇 憲法→国際法

国際法は、主権を有する国家と国家の間で結ばれた条約や、条約を締結した国家が集まって構成される国際機関について学ぶ分野です。国際法は、それぞれの国家が持っている憲法に優越する法制度として存在しているわけではなく、一つ一つの国家が寄り集まる形でできています。そのため、国家を主体として考えるベースを持っておくために、憲法から学ぶことをお勧めします。


〇 憲法・行政法・国際法→安保法

安全保障関連法制を学ぶためには、憲法と行政法と国際法をベースとして学んでいないと、安保法の位置関係や正当性の根拠を理解することは難しいでしょう。特に、国内法である「憲法」や「行政法」に基づく行政権としての「自衛の措置」の範囲と、「国際法」に基づく「自衛権」の概念は、その法の正当化根拠や適用範囲に対して複雑な理解を要するため、混乱しやすいです。安保法を学ぶ以前に、または学びながら、「憲法」「行政法」「国際法」を学ぶことをお勧めします。




学び方


 法学は、何度も繰り返して学び、初めは理解できなかったところについても後からどんどん補強しながら学ぶことになると思います。最初に持っておくイメージとしては、初めの学習が1割、補強学習が9割ぐらいの感覚でいいのではないでしょうか。(実際には、法学は一生学び続けられるぐらいに深いです。)学びの順序というのは、初学者向けのガイドに過ぎません。いずれはこのようなガイドに捉われることなく、自分の理解で法学世界を自在に歩めることを目指すといいのではないでしょうか。


 筆者はスポーツが特段得意であるというわけでもありませんが、イメージとして法学の学習はスポーツであると思ってもいいかもしれません。法学は、スポーツ試合のために行う練習のように、一度ではとてもマスターできないものです。ただ、スポーツでも試合の流れを見渡し、必要な技術を身に着け、状況に応じて自分自身の理解で最善解を打ち出していけるように学び、理解し、練習していくことになると思います。


 スポーツでも、プレー中、あらゆる行動を自由にすることができます。ただ、一応は誰もが行き着くプレーの動きや一定の形があるかと思います。それがフォームとして知られ、そのフォームに名前が付けられているという感じだと思います。


 法学でも、同じようなところがあります。一応は自由な思考が許されており、あらゆる考え方の可能性が開かれています。ただ、考えつくところ、誰もが行き着く妥当なフォームがあります。それを理解していくことで、法学世界を自在に歩める理解を得られるようになっていくものと思います。そんな感じではないでしょうか。(筆者もまだ学習中ですので、確定的なことは言えません。)


 また、他にもいろいろな学び方を解説していらっしゃる方がいるかと思います。それらは、それぞれに正しいものであり、そんな中にも良い点、悪い点があるかと思います。そうした情報を選択する際も、「今の自分が最もやる気の出る方法を選ぶ」ということが良い選択ではないかと思います。やる気の出る方法を大切にしていきましょう。




法律書籍の読み方


〇 地図を見るように学ぶ

 法律の書籍は、小説などとは読み方が違います。一番前から順番に読んだからといって、内容が頭の中に入ってくるとは限らないからです。映画や小説などのストーリーを持った作品は、初めから読み進めていかないと内容を理解することができません。また、そうしないとその作品の価値を存分に体感することは難しいと思います。


 しかし、法学書籍の著者は、文学作品の著者とは違って、読者を楽しませようとして書いているわけではありません。そのため、最初から真面目に読んでも理解が進まずに、読者は不安になったり、苦痛を感じたり、飽きてしまったりするのです。それは、当然の生理現象ですので、「自分には学力がない」などと思ってご自身を責めないでいただきたく思います。それが普通です。

 法学は全体の体系を頭の中で理解し、技術的に使いこなせるようになることが目的です。そのため、「地図を見るように学ぶ」という姿勢が良いのではないかと思います。


 地図を見渡し、自分がどこを歩いているのか把握しながら学ぶことが、最も苦痛を感じずに理解していく方法ではないかと思います。今読んでいる箇所の前後や、全体の中の位置関係をパラパラめくって確認したり、目次で把握しながら読むことを心がけるといいのではないかと思います。


 新しく法学の書籍を手に取った時にも、パラパラと全体を見渡していきましょう。最後の部分を先に読んでも、ネタバレになることはありません。確かに、一部分だけの理解では全体の整合性が保たれないことはあります。しかし、結局最後には法学の体系を見渡せるようにしていくわけですから、パラパラと全体を見渡しながら書籍の形式や用語、言語感覚、著者の体系観に慣れていきましょう。


 パラパラしていて、書籍の形に慣れてきたころに、少しずつ内容を読み進めていく意欲も湧いてくるのではないかと思います。


 飽きない方法、苦痛にならない方法、不安にならない方法をいろいろ探っていきましょう。その一つの方法として、地図を見るように全体の体系を意識しながら読むといいと思います。理解できないところや分からないところについては、サボりながら読み進めましょう。地図を見るように学んでいるうちに、いつかきっとまた同じ場所に帰ってきます。理解が進んでいない段階では、読んでもその部分に書かれた文言の価値を感じられないことは当然のことです。真面目に最初から読もうとせずに、手を抜いて進めましょう。


 地図を見るように学んでいるうちに全体が見渡せるようになったならば、その後に全体を通読してみるのもいいかもしれません。その時に、やっと理解が進む箇所もあると思います。それでいいのではないかと思います。



〇 どこに何が書いてあるのか分かるようにする


 初めのうちは、内容をしっかりと頭に入れる必要はないと思います。というか、読んでも意味不明で分からないと思います。ただ、どこに何が書いてあるのか、どんなことが書いてあるのか、分かるようにしていきましょう。上記の「地図を見るように学ぶ」と同じですが、欲しい情報があるときに、調べる場所が分かっていることが大切です。その時に、初めて理解できるようになることが多いからです。


 「どこに何が書いてあるのか分かるようにする」ということを意識し、法の体系や項目、書籍の構成、全体の概要を掴んでいきましょう。しっかり読み込むのは、その後でOKだと思います。




法学の情報の得方


 できるだけ、出費を抑えて学んでいく方法を紹介したいと思います。法学は、学べば学ぶほど、レベルの高い書籍が欲しくなると思います。その際、その書籍は専門性が高く、その分購入者も少なくなってしまうため、一冊の値段も徐々に高くなっていく傾向にあります。金銭的に余裕のある方以外は、できるだけ出費は抑え、本当に必要な時のために取っておきましょう。

 大切なのは、頭の中に法の世界を描け、使いこなせることだと思います。書籍を揃えることに捉われすぎず、頭の中に効果的に情報を投入していくための戦術を練りましょう。

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〇 図書館

とりあえず、図書館にある簡単そうな法学書籍は手当たり次第にパラパラしていく。

その中で、気が向いた本だけ読む。

予約やリクエストによる書籍の取り寄せを利用する。


〇 ネット検索
ネット上の法学者たちのサイトを、ネットサーフィンしていく。
その中で、気が向いたサイトを頭に通していく。


〇 動画サイト

YouTubeなどの動画サイトを活用し、講義の動画を倍速再生で頭に通していく。質が低いものも多いので、そういうものがあるということだけ知っておく。


〇 古本屋
図書館になかった書籍や、ネット上で得られなかった情報のある書籍があったら、パラパラしていく。
破格の安値だった場合には購入する。


〇 ネット古本

図書館や古本屋、書店で見つけた信頼できる良質な書籍が破格の安値で出品されていた場合には購入する。

法改正で現在使えないような古い版の書籍でないかに注意する。


〇 書店

書店で自分に合いそうな書籍をパラパラめくっていく。

上記の方法ではとても得られそうにない書籍や、質の高い書籍で、買うに値する本だけ購入する。


〇 Wikipedia

法学の全体像や仕組みの基礎をおおよそ理解しており、ネットの法学情報の信頼性の程度が分かってきたならば、Wikipediaは強力な味方となる。ただ、専門用語を基にした断片情報が多く、体系的に情報が整備されいるわけではない。それを知った上で使っていく。


〇 Yahoo知恵袋

ネット上の質問回答コーナーに集まっている法学者の情報を取得していく。

情報の信頼性の程度がまだ理解できない段階ではお勧めしない。


〇 大学や専門学校などの講義

大学や専門学校に通ったり、予備校や塾に通ったり、講義を行っている教室に参加する。

ただ、ここでしか得られないような特別な情報があるかといえば、そこまでのものはないだろう。

もし意欲が高く、上記を使いこなせるのであれば、時間や費用対効果が高いとは限らない。

学習方法などを教えてくれたり、信頼性の高い情報を提供してくれる場合もあるかもしれないが、そんなに質のいいと評判の講義があるかどうか…。筆者は残念ながら出会えていない。

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 これらの中でできるものを繰り返していれば、大体情報は得られるかと思います。

 無理に一つの情報源に捉われすぎることはお勧めしません。なぜならば、情報の偏りが分からなかったり、理解が硬直化して思考の柔軟性を得られないと思われるからです。得られる情報源から、いろいろ得ていきましょう。また、いろいろな情報源を味方につけた方が、学習ストレスも少ないのではないかと思います。自分に合うものを探していくことをお勧めします。大きな視野で見ると、結局は、どこからでも同じような理解に行き着くと思います。


 当サイトも、単なる情報源の一つです。間違っている内容や、読者の理解を十分に導くことのできない部分は多々あると思います。その程度のものとして、流していっていただければと思います。

 




初学者の学習法のおすすめ


 例えば歴史の勉強は、小学校でもやったし、中学校でもやったし、高校でもやったし、大学でも…、社会人になっても…などと、同じようなことを何度も勉強しているかと思います。ただ、学びの深度やアプローチが違うかと思います。


 法学も、そのようなイメージで学び始めると良いのではないでしょうか。ただ、法学は大学や専門学校などで学び始める人が多いですが、数年間のうちに「小学校レベル」「中学校レベル」「高校レベル」「大学レベル」(「大学院レベル」「学者レベル」)というようなステップアップをしながら一挙に学ぶことになると思います。その点、スピード感がやや異なります。もちろん、法学だけに専念せずにゆっくり学ばれる方もおりますので、それはそれで構いません。


 ただ、小学校レベルを一通り頭を通し、中学校レベルを一通り頭を通し、難しくなったら小学校レベルを復習し、中学校レベルを二回ほど頭を通し、高校レベルに行って挫折し、中学校レベルに戻って学び直し、中学生レベルの同じような書籍や基本書を何冊か読み、「なんだ、他の書籍も同じようなこと言っているじゃないか」と確認してから高校レベルに再チャレンジし…。などという風に進めていくことになるかと思います。


 もちろん、急に中学校レベル、高校レベルの教科書を頭に通し、理解できる人はそれでいいのですが、多くの人はレベルの違う教科書や書籍の間を行ったり来たりをしながら学びを深めていくものと思います。


 予めそういうものだと分かっていると、だいぶ不安は軽減されるのではないかと思います。それが分からなくて、勉強中、いろいろ不安になることがあります。他にも様々に障壁を感じることが起きるかもしれません。それも含めて乗り越えていけるように努めていくといいのではないかと思います。

 





書籍の選び方


 自分に合う合わないがありますので、いろいろな本を手に取ってパラパラ見ていくことをお勧めします。読む気になった本が、一番自分に合っているのだと思います。ただ、そんな中でも、初学者に分かりやすいかもしれないポイントを紹介してみようと思います。分からなかったら、筆者の力不足ですので、この情報に惑わされないでくださいね。


初学者の書籍選びのおすすめ

〇 目次を見て分かりやすい感じ。
〇 書籍の全体をパラパラと見渡した時、法学の体系が分かりやすい感じ。
〇 項目が整理されており、今、どの辺にいるのか分かりやすそうな感じ。
〇 読んでいて、迷子になってしまわなそうな感じ。

〇 著者の初学者への優しさが伝わってくる感じ。

 

こんな感じでしょうか。

 



超初学者におすすめ

 

尾崎 哲夫 amazon
この人は、超初学者向けの法学書籍を多数出版している人です。超初学者には「3日でわかる〇〇法入門」シリーズや「はじめての〇〇法」シリーズがおすすめです。また、しばらく学習が進んだ時に、法学世界で迷子になった時にも、一度読み返してその法分野の体系を頭の中で整理し直すためにも良好です。


この書籍を知らなかった初学者は、図書館で探して一度チェックしておいたり、中古の格安購入で備えておくのもいいかもしれません。

(当サイト管理人は著者でも出版社でもありません。当サイト管理人も出費するよりネットで調べることが多いもので、当サイト読者に向けて新品購入を勧めるなどするつもりはありません。無理のない学習環境の整備や、法学界のアクセシビリティの発展を願っているだけです。)



 この書籍でも興味を持てなかったり、理解できなかった場合には、法律関係のドラマや映画、ドキュメンタリー、マンガ、アニメ、小説、パロディ作品などから入る方法もあります。やり方はいろいろありますので、ご自身に合うものをいろいろ探していただければと思います。いくら簡単と言われている書籍でも、時期が合わなければその価値を感じることはできないと思いますので、ご自身の正直な感覚を大切になさっていただければと思います。





レベル別おすすめ本

 どなたにも、今の自分に合う書籍、合わない書籍があるかと思います。そのため、ご自身の感覚を大切になさっていただければと思います。いろいろ知っていき、合う合わないを探していくことが、もし合う書籍が見つかった時に、その書籍を読み進めようとする気合いも入りやすくなると思います。気合いが抜けてしまったら、また他の書籍を探せばいいのです。いろいろな書籍をぐるぐるしているうちに、だんだん分かっていくようになる部分もあるかと思います。そういう過程も大切にしていくといいのではないかと思います。


 自分に合った段階や分野の書籍を見つけられるようになることも、法学への理解を深めるために有効なことだと思われます。


 また、「あの本とこの本は、言っていることが同じだな。」とか、「この本は、全然使えない。」とか、学んでいるうちに分かってくると思います。一つの書籍に捉われすぎずに同じような書籍を頭に通していくことも理解を深めるために大切だと思います。


 下記は、筆者の感覚でレベルを分類したものです。紹介している書籍やサイトは、憲法の分野に偏ってしまっております。


 (書籍のリンクは、その書籍の最新版でない場合があります。)


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【レベル1】 学習前の段階を楽しみたい人向け

〇 法律関係のドラマや映画、ドキュメンタリー番組、小説、マンガ、アニメ、パロディ作品など


【レベル2】 学習に繋がる教養を得たい人向け

〇 ニュース、新聞、雑誌、池上彰のニュース解説番組など
 学習には繋がるが、体系感のない知識として断片的な情報が多い。それらの情報に捉われすぎてしまうと学問領域としての理解にまで踏み込むのは難しい。そういうものだと思って付き合っていくことが大切。

〇 【動画】日本国憲法 2020年度第1回(放送日:4月8日、5月27日) NHK for School
〇 【動画】中学生向け法教育視聴覚教材「私たちのくらしと憲法(全編・字幕付き)」 2019/03/17

〇 【動画】立憲主義って何?~10代のための「檻の中のライオン」憲法講座〈第2回〉 2021/01/16

〇 小学社会【政治のしくみ】 学習ポスター&クイズテスト 無料ダウンロード

〇 10歳から読める・わかる いちばんやさしい 日本国憲法 (日本語) 大型本 – 2017/9/20

 非常に分かりやすい。法律嫌いにはならない。



【レベル3】 超初学者や法学世界の迷子になった人向け


〇 【動画】木村草太氏講演会 「沖縄で憲法を考える」(音声) 2016/04/09(8分57秒~27分59秒まで)


〇 増量-日本国憲法を口語訳してみたら-幻冬舎文庫 amazon

 憲法の概要を掴むために分かりやすい書籍である。この書籍のおおよその内容は下記の記事でも確認できる。ただ、書籍版の方がより表現がバージョンアップされているようである。
   【参考】『日本国憲法を口語訳してみたら』 日本国憲法”超”口語訳 前文〜国民の権利

   【参考】『日本国憲法を口語訳してみたら』 日本国憲法”超”口語訳 内閣〜最高法規性


〇 〔法律全般〕尾崎哲夫 amazon

「3日でわかる〇〇法入門」シリーズや「はじめての〇〇法」シリーズ

 極めてシンプルに法のメカニズムの本質部分が記載されている。そのため、簡単に書かれ過ぎていて逆に内容が素直に分からない時があるが、しばらく別の書籍で勉強した後に帰ってくると、この書籍の質の良さに気づいたりする。意味不明でも、「こういうものなのか?」と思いながらも学ぶには最適。尾崎哲夫は英語に関する書籍も書いているため、検索する際に混乱しないように注意。



【レベル4】 初学者向け


〇 【動画】司法試験入門講座 プレ講義 「体系マスター」憲法2 「憲法の特質」

  【動画】司法試験入門講座 プレ講義 「体系マスター」憲法3 「立憲主義と法の支配、国民主権」

 

〇 【動画】初めてでもわかる憲法!「憲法とはなんだろう?」講義 ~志水晋介の行政書士講座より~ 2022/11/04


〇 図録-日本国憲法 2018/12/7 amazon
 わりとお勧め。この書籍は初学者にとっても入りやすいように写真や図、表がたくさん使われている。また、憲法を専門的に学び始める人にとっても内容の濃さが保たれている。初学者には特にお勧めしたい。このクオリティの書籍は、今まで法学の世界には存在しなかったと思う。専門的に学ぼうと思っている人は、【レベル1~3】を飛ばして、ここから学び始めることも可能と思われる。

〇 〔法律全般〕「入門の法律 図解で分かる〇〇法」シリーズ amazon
 見開きページごとで内容がしっかりと区切られているので、初学者など全体の体系がはっきりと捉えられていない段階の者には比較的分かりやすいと思われる。分かりやすく区切られているので、パラパラしながら読めるところを読んでいくのがいいと思われる。世界観に慣れるためにはちょうどいいと思われる。

〇 〔法律全般〕図解による〇〇法のしくみ」シリーズ amazon

 専門的な内容がコンパクトにまとまっており、法律の洪水に溺れそうになっている者は、頭を整理するために使えるかもしれない。


【レベル5】 法を専門に学ぼうとする初学者向け


〇 〔法律全般〕やわらかアカデミズム・わかるシリーズ amazon

 「よくわかる 〇〇法」のシリーズが比較的分かりやすい。法学部の大学一年生の授業ではこのくらいのレベルだと思われる。学術的にも丁寧な内容であり、専門領域として学び始める者は通っておくべきレベルの書籍となると思われる。

〇 絵で見てわかる人権 amazon
 憲法の人権部分について、開かれた視野で初学者向けの言葉遣いで書かれている。

〇 憲法概説 裁判所職員総合研修所 amazon
 薄いが、わりとまとまっている。


【レベル6】 学びが深まってきた人向け


〇 やさしい憲法 amazon
〇 プライム法学・憲法 amazon

 上記の二冊は同じレベル。図書館などで両方見つけたら、比較しながら読むのもいいかもしれません。

大学生レベルのテキストとしては優れている。

 このレベルは、資格試験などの学びでも、憲法の基本を体系的に身に着けるためのベースになると思われる。


〇 憲法講話 -- 24の入門講義 長谷部恭男 amazon

 上記の二冊よりも分厚い本ではあるが、内容の意味がよく分かるため、読み進めていて苦しくなりにくい点で非常に良質な書籍である。芦部憲法で混乱した方にもおすすめ。



【レベル7】 法の体系が掴めてきた人向け

〇 憲法 第七版 芦部信喜 amazon

  (憲法 第七版 Audible Logo Audible版 – 完全版 amazon)

 日本の政治家を志すならば、憲法への理解はこのレベルまでは達していてほしい。せめて、どこに何が書いてあるのかは分かるぐらいになっていてほしい。(それが分かっていない政治家も、日本にはいます…。)

 司法試験などでは、この程度は頭の中の理解としてマスターしておきたいという感じではないだろうか。

〇 立憲主義と日本国憲法 第5版 高橋和之 2020/4/15  amazon



【レベル8】 法学の教養が高まってきた人向け


〇 憲法 第7版 辻村みよ子 2021/3/31 amazon


〇 憲法 (新法学ライブラリ)  長谷部恭男 2018/3/1 amazon


〇 日本国憲法概説 佐藤功 1996/9/1 amazon

〇 日本国憲法論 第2版 (法学叢書7) 佐藤幸治 2020/9/25 amazon


〇 判例百選などの判例集



【レベル9】 法学世界を専門に生きる人向け


〇 憲法I 基本権 渡辺康行 宍戸常寿 松本和彦 工藤達朗 2016/4/19 amazon
  憲法II 総論・統治 渡辺康行 宍戸常寿 松本和彦 工藤達朗 2020/9/24 amazon

  (『憲法2─総論・統治』(著:渡辺康行・宍戸常寿・松本和彦・工藤達朗 ) 2020.10.22)

  憲法Ⅰは「基本権」(人権)について書かれた本である。憲法Ⅱに比べたら、非常に読み取りづらく、飲み込みにくい。お勧めしたくなる品質ではない。

 憲法Ⅱは「総論・統治」について書かれた本である。文章が整っており、かなり読みやすい。分かりやすく、明快な認識を得られるため、書籍の完成度としてかなり優秀な部類に入ると思われる。お勧めできる。


〇 注釈日本国憲法(2) -- 10条~24条 (有斐閣コンメンタール)  2017/1/28 amazon

 人権制約原理の部分は「長谷部恭男」のタイプなので、「一元的内在制約説」とは異なる。


〇 
憲法〈1〉 (1971年) (法律学全集〈3〉) 清宮四郎 1971/1/1 amazon

  憲法 2 新版改訂 基本的人権 法律学全集 (4) 宮沢俊義 1974/1/1 amazon

 上記「憲法2」は、芦部憲法が実は総集編であり、本編ドラマはこれだったと気付かされるような書籍。芦部憲法では自然に受け入れられなかった違和感のある展開や、語られていない部分の穴は、この書籍で埋まると思われる。

 この書籍は、学習する中で憲法の構成や人権の性質そのものに対して疑問を抱き始めたときに答えが見つかるかもしれない。憲法典の形が生まれるまでのかなり根源的な部分に焦点がある。

 人権制約原理についても、「一元的内在制約説」のタイプである。


〇 憲法I 総論・統治 第2版 (LEGAL QUEST) 毛利透 小泉良幸 淺野博宣 松本哲治 2017/5/2 amazon

  憲法II 人権 第2版 (LEGAL QUEST) 毛利透 小泉良幸 淺野博宣 松本哲治 2017/5/13 amazon

 

〇 憲法1 第5版 野中俊彦 中村睦男 高橋和之 高見勝利 2012/3/30 amazon

  憲法2 第5版 野中俊彦 中村睦男 高橋和之 高見勝利 2012/3/30 amazon

〇 憲法 第三版 樋口陽一 2007/5/1 amazon

 この書籍では学習意欲が湧いて来ないと思う。内容は、明瞭に記載されているわけでもないし、情報量が多いわけでもない。学習する際にこの書籍を選びたいとは思わない。学習済みの内容を確認してみる程度のつもりで目を通すならば良いと思う。

〇 司法試験向け論文集など


【レベル10】 法律の専門的な論文を書く人向け

〇 憲法 新版 (現代法律学講座)  佐藤幸治 1990/4/1 amazon

 細かいことまで記載されており、情報量が多い。読みやすさはない。


〇 憲法制定権力 芦部信喜 1983/1/1 amazon

 教科書と言えるような体系書ではないが、書かれている内容は濃い。


【レベル11】 学者向け

 

〇 長谷部恭男 けいそうビブリオフィル

 難解すぎて付いていけない。



【レベル12】 新たな法分野を開拓する者向け

〇 社会事情の変化などを捉えながら、自分の頭の中で新しい書籍を生み出すレベル。

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 このほかにも、<司法試験向け><資格試験向け><特定分野の専門書籍>など、いろいろ書籍によって傾向があります。これらは、当サイト筆者が自分の経験上で勝手に分類したものです。




 また、書籍の傾向には、「普遍的、理念的、抽象的な内容」を中心に記載しているものから、「技術的、具体的な内容」を中心に記載しているものまで、様々な段階があります。下記に傾向を少し紹介します。




 筆者は法律学の書籍を一冊ずつこのようなマップ上にレベルや傾向を位置付けていき、初学者の書籍選びの参考になる情報源を整備するべきだと考えています。




<理解の補強>

長谷部 恭男 講義一覧 UTokyo OCW





学び過ぎ注意


 法学は、学び過ぎに注意しましょう。学び過ぎてもいいのですが、身も心も生活状況も、ボロボロになってしまうことがあります。


 あなたも、学び過ぎて疲れているかも…。

〇 法学の書籍を前にするとやたらに目が痛くなる。

〇 法学の書籍を目の前にすると胃が痛くなる。

〇 法学の書籍を目の前にすると熱が出ることがある。

〇 耳が痛くなったり、耳鳴りがするようになる。

〇 慢性的に体調不良となる。

〇 違法性の線引きに強迫観念を覚えるようになる。

〇 法の観念の認識論的な前提に惑わされ、社会恐怖症になる。

〇 コンプライアンス意識の低い企業で働くことが怖くなる。

〇 法的な前提思考を持っていない人と関わることにリスクを感じ、対人恐怖症になる。

〇 精神的に追い詰められてくる。

〇 いろいろあって、知人や周囲の人がすべて敵になる。

〇 将来に絶望するようになる。


 該当する項目があっても構いません。ただ、学び過ぎるなどした際の問題とも上手く付き合っていけるように心がけていくといいのではないかと思います。法学はあくまで一つの学術分野です。法という世界だけに縛られ過ぎず、他の知識や教養も大切にするといいのではないかと思います。いえ、それ以上にゆっくり休むことも大切かもしれません。


 ただ、資格試験などに迫られて余裕のない方もいらっしゃるかと思います。筆者はそういった苦しい状況を改善できる力はありませんが、法学世界が少しでも良い世界となり、学習者が少しでも楽に学べる環境が整っていくことを願っております。法学の世界を、少しでもいい世界にしていきましょう。そして、皆様もご自身を大切になさってください。


 学習中、様々な問題に見舞われることもあると思います。原因は複合的な要因で起きることが多く、一つの理由だけに限られないことと思います。(理由が明確に分かっているならば、対策も簡単に取れるはずですからね。)法学だけに潰されてしまうことがないように注意し、人生視野で法学と付き合っていきましょう。その人生が削られていく焦燥感等もあるかもしれませんが、それでも、皆様がご自身の人生を大切にしていけるように筆者も願っております。



社会見学


 暇だったり、機会があったり、勉強に疲れたり、気分転換したり、実感を大切にしたい時期だったりした場合には、社会見学もいいかもしれません。基本的には、法学の書籍を読んでいれば勉強はできますので、社会見学に何かすばらしいものがあるかいうと、そこまでのものではないでしょう。それぞれ、法学に関わる人たちの単なる職場ですから、その程度として見ておくには良いかもしれません。



〇 憲政記念館 見学

無料 東京


憲政記念館



〇 国会


見学

国会は見学できる。

傍聴

一般的には本会議が開催されているときのみ傍聴ができる。

(議員の紹介を受けらた場合、委員会を傍聴できる可能性がある。)

国会が開かれるタイミングはかなり不安定であり、基本的に前日の5時以降にインターネット上に掲載される時間を想定することとなる。急に変更されることも多いので注意が必要。

国会の傍聴は、衆議院と参議院の二つあるが、受付で名前を署名したり、身分証の提示が必要だったりする。両院は受付事務所も違い、手続きも異なる。両院の運営感覚の性格が違うためである。

入場券をもらい、国会内に入ってからも持ち物をロッカーに入れ、金属探知機も通ることとなる。



〇 裁判所 傍聴

新聞に載るような事件であれば、傍聴席が足りなくなるため、整理券が配られたり、抽選になったりする。

携帯電話の電源など、基礎的なマナーがあるので、掲示されている注意事項を読む。

裁判官が入廷してきたときは、職員の指示に従って、傍聴人も起立することが多い。

入退廷は基本的にいつでも自由に行うことができる。

一応、裁判官が法廷の秩序を維持する権限を持っている。そのため、あんまり雰囲気を壊すような行動をすると、傍聴人も退廷を命じられたりすることがあるのかもしれない。その程度の意識でマナーを守っていけば大丈夫だと思う。

地方裁判所 平日は基本的に毎日開かれている。

高等裁判所 平日は基本的に毎日開かれている。(地方裁判所と高等裁判所は同じ建物内であることが多いと思う。)

最高裁判所 東京のみ 開かれている日程のタイミングが限られているので、予め確認が必要。
最高裁判所開廷期日情報

   【参考】裁判傍聴のしかた


〇 官庁街 見学


◇ 府省庁
基本的に府省庁の内部は公開されていないが、資料館や記念館などが官庁街の周辺にあったりする。
東京には警察博物館がある。

自衛隊の広報資料館などがある。
自衛隊の火力演習や観艦式、航空祭などがある。


法務史料展示室・メッセージギャラリー

 


地方自治体


◇ 都道府県庁の官庁街

都道府県議会の傍聴ができる。
都道府県警察本部では、見学施設があったりする。事前予約が必要なことがある。


◇ 市区町村 
市区町村議会の傍聴ができる。



その他

◇ 造幣局

 





初学者の戸惑い


 初学者の人は、「テレビで出てくる法律家って、憲法の条文をすべて覚えているのかな?」とか、思ったことはないだろうか。「〇条で~~である。」「〇条に、書いてある」とか言われると、すごく圧迫感を感じたりしませんかね?


 その疑問にお答えしようと思う。




 憲法についてであるが、大体の法律家の頭の中は、恐らくこういう感じになっている。


 まず、章を【人権規定】と【統治規定】に分類しているのである。


 そして、第九章「改正」と、第十章「最高法規」がある。

 さらに、第二章「戦争放棄」の9条の規定がある。


 正直、第十一章「補則」なんてものは、意識していない。法律家でも、ほとんどまともに読まない章である。




 【人権規定】である第三章「国民の権利及び義務」の最初の方は、人権の性質が書いてある。


 11条、12条は、観念的であり、法律実務での技術的な場面ではほとんど出てこないので、詳しく理解していないことも多い。法哲学に精通しているコアな法律家は、時々語ることがある。


 13条は、「個人の尊重(個人の尊厳)」という、めちゃくちゃ輝いている条文。「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」の文言から、有名な「幸福追求権」を導き出しているため、輝きを放っている。


 14条の平等権についても、何かと重要で、人権の総則的な意味が強いから、分かっている。


 15~40条については、正直、条文番号は得意分野しか覚えていないよ。まあ、大体何が書いてあるかは一通り勉強しているし、調べれば分かる感じ。


 31条の「適正手続き」ぐらいは、法の支配や法治主義を貫徹する総則的な意味合いも強いので、覚えているかな。癖があるのは、この条文は「刑事手続き」だけに及ぶ規定のようでありながら、「行政手続き」にも及ぶため、誤解を生じやすいことかな。

 あと、31条以下の【人権規定】については、刑事手続きの関連規定だなって感じ。




 【統治規定】については、まず、三権分立だから、41条が「国会」の立法権について、65条が「内閣」の行政権について、76条が「裁判所」の司法権については覚えている。

 違憲審査について定めた81条ぐらいは、覚えておいて損はない。

 財政と、地方自治の条文番号は、何番だったかな~。まあ、覚えなくてもいいっか。って感じ。


 あ、第一章の「天皇」を忘れてた。1条に「主権の存する日本国民」って書いてあるから、あたかも天皇について書かれた条文だけど、国民主権を示しているよ。




 そんな感じかな。

 というわけで、まあ、そこそこ勉強した程度の法律家の頭の中は、

 【人権規定】 13条 14条 31条

 【統治規定】 41条 65条 76条 (1条 81条)


を覚えている感じね。後は、それを基準にして、自分の好きな条文を覚えていく感じですかね。

 例えば、19条の思想良心の自由とか、26条の教育関係とか、29条の財産権とか。

 他にも、7条解散、69条解散とか言われる条文とかかな。

 思ったより、覚えることは少ないでしょ。頭を通しておくことは多いけど、まともに覚えていることなんて、そんなに多くないよ。



 「〇条、〇条に書いてある」っていう、法律家の話に圧迫感を感じたら、是非この法学マップを取り出して、確認してみて。

 あたかも「法律を知っている自分は偉い」みたいな優越感に浸っている感じに嫌気が差したら、「あ、あの人は頭の中に憲法体系図(法学マップ)があるんだ」って思ってあげて。基本的には、それだけのことだから。


 みんなも、この憲法体系図(法学マップ)があれば、すぐに基盤を共有できるはず。


 え?民法も刑法なども、大体そんな感じだよ。その全体像が分かってきたら、そのまま覚えることなんて結構少ないよ。中には覚えている人もいるけどね。基本的に覚えることより、使いこなせることが大事だからさ。

 法律家がテレビで出てくるときの初学者の抱いてしまう法律家のイメージと、実際の法律を知るときの頭の中の構造は、ちょっと誤差があったりするから、学ぶうちにそういう誤差も修正していくといいんじゃないかな。

 初学者は、そういう戸惑いを感じると思うけど、そういうのも含めて、乗り越えながら学んでいきましょう。



<理解の補強>

 

【動画】北九州市立大学法学部・2021年前期・現代法曹論0「憲法」 2021/04/19

「法律相談でお互いに考えていること」 Twitter





質問コーナー

 筆者は法学のすべてを理解しているわけではありません。一学習者という水準で、答えられる場合だけ、答えられる範囲で、答えてみようと思う。もっと良い答えを持っている人もいるかもしれないため、筆者の答えを信じ切ったりしないことをお勧めします。ここに普遍的で確かな情報は「ない」と思った方が正しいでしょう。その程度で、答えてみます。


「京大系の方ですか?」「東大系だと」 Twitter


 民法の財産法から入る学習順序は、恐らく「契約」に関する事柄が一番身近でイメージしやすいため、学習者を法学の世界に引き込みやすいという教育意図があるのだと思う。ただ、それはそういう教育意図で組み立てたカリキュラムに過ぎないものと思う。自分に合う合わないがあると思うし、そのような教育意図に惑わされるよりも、法学そのものに向き合うことの方が重要と思う。

 法学の世界に、確立された学習法というものはないと思う。(もしあったら筆者も知りたい。)

 大学や専門学校の試験などのために、カリキュラムの順序に従うように強要されるような気持ちになることもあるかもしれないが、そのカリキュラムの形で成功する人も、成功しない人もいると思われる。

 学習順序に厳密な区切りや方法論はない。すべて分かった上で進もうとするよりも、分からないまま進み続けて、また戻ったりしながら勉強することが普通だと思う。

 「民法」をやらずに「商法」をやったり、「刑法」をやらずに「刑事訴訟法」をやることは難しいと思うが、「基礎的な法学の理解」の部分を学んだり、「民法」を学んだりすることは、大きな視野から見れば特に影響はないと思う。筆者はそこまで丁寧できめ細やかな学習法やカリキュラムを知らない。(できるならば、誰かに開発してもらって、ネット上に上げてもらいたい。)
 誰もが自分の目標に最短ルートでたどり着けることを望んでいると思う。ただ、法学といっても、授業での扱い方によって、試験の内容によって、仕事での関わり方などによって、学習のアプローチやレベル、方法論にはかなりの違いがある。同じように「法学を学んでいる」と語る者でも、目指している方向性が違うこともあるため、自分がどの目標に向かっているかによってやり方には相当違いがあるのではないかとも思う。
 もう一つ、「京大系」「東大系」という話であるが、筆者はよく知らない。ただ、法学そのものに「京大系」も「東大系」もないと思う。「ロレックスですか」「オメガですか」「セイコーですか」と聞かれても、「時計です」と答える感じだと思う。時計の仕組みや仕掛けを学んでいるのであり、会社の性格は時計そのものの機能ではない。会社の好き嫌いはあるかもしれないが、時計の仕組みそのものを理解している人が、一番できる人なのではないかとは思う。無名ブランドでも仕組みがしっかりしていれば、時計それ自体は狂いなく動くと思う。そのように、法学そのものを見ることが大切だと思う。

 また、このたとえ話を突き詰めても、答えは出ないと思う。会社にこだわる人、好きな会社がある人もいるため、それを否定することはしない。筆者も好きな企業ブランドはあるし、企業ブランドには、「あのブランドならば一定の水準にあるだろう」という安心感を感じさせることがあることも理解している。ただ、自分の目標となる形に合わせて、それに必要となる法の理解を得ていくことが重要と思う。

 ただ、法学そのものがよく分からないために、何か、大学や専門学校ごとのカリキュラムの違いや、使っている教科書の種類、質などを疑うことはよくあることである。それが当たる場合もあれば、当たらない場合もある。比べることで、より本質にたどり着ける場合もあるかもしれない。

 しかし、「京大系」「東大系」という感覚も、学んでいくうちに過ぎていくと思う。筆者の今の理解では、そこに普遍性の高い何物かはないと感じている。(もし、「京大系」「東大系」に大きな違いがあって、何か大発見があったら、筆者も教えてほしい。)
 「京大系」「東大系」について関心を抱く視点が、法学の学習者というよりも、「京大法学史」とか、「東大法学史」などを作成しようという動機をお持ちの方であることによるものであれば、それは筆者には分からない。申し訳ない。